日本皮膚科学会 乾癬生物学的製剤検討委員会
乾癬における生物学的製剤の使用ガイダンス(2018年版)

治療禁忌の患者

  1. 活動性結核を含む重篤な感染症を有する患者
  2. NYHA 分類III 度以上のうっ血性心不全を有する患者
  3. 脱髄疾患(多発性硬化症など)およびその既往歴のある患者(TNF阻害薬のみ)

特に注意が必要な患者

  1. 感染症の患者または感染症が疑われる患者
  2. 結核の既感染者、あるいは胸部画像所見で陳旧性肺結核に合致する陰影(石灰化像、索状影、胸膜肥厚など)を有する患者、ツベルクリン反応陽性の患者(発赤長径10mm以上を陽性と 判定する)、インターフェロン-γ遊離試験陽性の患者
  3. B型肝炎ウイルス感染者(HBs抗体ないしHBc抗体陽性者を含む)
  4. 脱髄疾患が疑われる徴候を有する患者、およびその家族歴のある患者
  5. 間質性肺疾患のある患者、またはその既往を有する患者
  6. 炎症性腸疾患の既往のある患者
  7. 重篤な血液疾患(汎血球減少、再生不良性貧血など)の患者、またはその既往を有する患者
  8. 悪性腫瘍が存在する患者、悪性腫瘍の既往歴あるいは治療歴を有する患者、および前癌病変を有する患者
  9. 抗核抗体陽性、またはループス様症候群が疑われる患者
  10. 進行性多巣性白質脳症が疑われる患者
  11. 先天性・後天性免疫不全症候群、または他の全身性免疫抑制薬治療によって免疫力が低下した患者
  12. 自殺念慮、自殺企図が疑われる患者、またはその既往のある患者
  13. 高齢者
  14. 小児
  15. 妊婦、産婦、授乳婦など
  16. 手術患者

「乾癬における生物学的製剤の使用ガイダンス(2018年版)」日本皮膚科学会 乾癬生物学的製剤検討委員会 2019年2月18日策定