監修:福岡大学医学部 皮膚科教授
今福 信一 先生
乾癬の発症のしくみ
乾癬は、免疫の異常が原因と考えられています。
私たちの体の免疫機能ではサイトカインと呼ばれる物質がはたらいています。乾癬では発熱や炎症を促進する作用をもつTNFα(ティー・エヌ・エフ・アルファ)やIL(インターロイキン)-17、IL-23と呼ばれるサイトカインが増え過ぎることにより、全身のさまざまな部位に影響を及ぼし、多様な症状があらわれると考えられています。
そのため、乾癬の治療では、患者さんの症状に応じて、増え過ぎたこれらのサイトカインを抑えるはたらきをもつ生物学的製剤が選択されることがあります。
乾癬の発症のしくみ(イメージ)
乾癬は体の中から起こる病気です。
乾癬が悪化した状態は、体の中に炎症を引き起こしやすいマグマだまりがあるような状況です。
皮膚や関節の症状は部分的にマグマが流れ出て、体の外の症状を引き起こしていると考えるとわかりやすいかもしれません。
乾癬を悪化させるといわれる要因
肥満
喫煙
過度な飲酒
季節によるもの
精神的ストレス
感染症
外傷
など
乾癬の悪化を予防するためにも、自分の日常生活を振り返ることが大切です。